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美白化粧品の美白効果?その美白成分と美白作用について考える
現在、美白作用を謳った化粧品や医薬部外品は化粧品市場に溢れています。ほとんどの女性の方は、一度はそういった商品を購入して使用されたことがあるのではないでしょうか。
ただ、その美白効果については、期待通りの効果を実感された方もいらっしゃると思いますが、効果に満足できなかった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
美白化粧品って(医薬部外品含め)、本当に美白効果はあるのでしょうか?そもそも、美白化粧品に配合されている様々な美白成分って、どのように作用して、美白なるものを実現してくれるのでしょうか?
今回のコラムは、美白目的の化粧品や医薬部外品に配合されている、いわゆる「美白成分」の作用について取り上げてみました。今後の美白対策の参考にしたいただければと思います。
美白成分の美白作用について知る前に・・・
化粧品や医薬部外品に配合されている美白成分といわれるものは、シミ・ソバカスの発生あるいは皮膚の黒化の過程において、それを阻害する作用を期待されて配合されています。どの過程においてどのように作用するかは、それぞれの美白成分によって違いがあります。
ですから、それぞれの美白成分の作用を理解するためには、まず、シミ・ソバカス、あるいは皮膚の黒化といった現象が起こるメカニズムについて知ることが必要となります。
シミ・ソバカスの発生については、遺伝的要因、内的要因、外的要因など様々な要因があげられますが、外的要因の大きなものとして紫外線があげられます。
美白化粧品という言い方が一般化していますが、化粧品や医薬部外品が対応できるとされているのは、日焼け(紫外線)によるシミ・ソバカスです。このコラムにおいても、日焼け(紫外線)によるシミ・ソバカスを防ぐ成分として美白成分を取り上げていきます。
美白対策の大前提・・・シミ・ソバカスの生成過程を理解しましょう!
私たちの皮膚の色は、人種によって大いに違いますし、同じ人種でも微妙に違います。これは、メラニンという黒褐色の色素の量によって違ってきます。メラニン色素は、表皮最下層の基底層にあるメラノサイトという色素細胞によってつくり出されます。遺伝や人種によって、メラノサイトがメラニン色素をつくる量はほぼ決まりますので、それが生まれつきの肌色となるわけです。
◆メラニン色素は紫外線の悪影響から皮膚を守るために生成されます
紫外線を浴びると、皮膚が黒化したり、シミ・ソバカスが発生したりするのは、紫外線の刺激から皮膚を守るために、メラノサイトがメラニン色素の生産量を増やすためです。
紫外線は、様々な悪影響を皮膚にもたらしますが、このメラニン色素によって紫外線を吸収したり散乱させたりして、紫外線の皮膚組織内部への浸透を阻害しています。
このように、メラノサイトがメラニン色素を生成するのは、紫外線から皮膚を守るためですから、私たちの皮膚にとって不可欠な防御システムと言えます。
◆メラノサイトでのメラニン色素の生成
メラノサイトは、紫外線を浴びると、チロシナーゼという酵素のはたらきによりチロシンというアミノ酸を原料としてメラニン色素を作り出します。
この過程は一種の酸化作用であり、チロシナーゼが酸化を促進することにより、メラニン色素が生成されるということになります。
◆メラニン色素は他の表皮細胞への分配
メラノサイトの量は、他の表皮細胞と比べるその量は少ないのですが、メラノサイトは、自分がつくったメラニン色素をまわりの表皮細胞(角化細胞)にどんどん配っていきます。
メラニン色素を分配された表皮細胞は黒〜褐色ですので、皮膚の色は黒化したように見えてしまいます。
◆新陳代謝でメラニン色素を排出
なお、通常は、基底層でメラニン色素を分配された表皮細胞は、新陳代謝により皮膚表面へ押し上げられていき、角質層にたどりつき、その後垢として剥がれ落ちていきます。ですから、健康な肌状態であれば、そのうちに元の肌の色に戻っていきます。
◆メラニン色素が皮膚内部へ残存するとシミ・ソバカスに
シミ・ソバカスは、紫外線の影響によって生成されたメラニン色素が部分的濃くなってできます。これは、皮膚機能の低下などにより、表皮内にメラニン色素が残存したり、過度の日焼けや連続的な日焼けにより、メラノサイトが必要以上に活性化されて恒常的にメラニン色素をつくるようになるためです。
ただ、メラニン色素が部分的に偏ってしまう原因については、まだまだ解明されていないことも多いようです。
美白成分の美白作用・・・どのように作用してシミ・ソバカスを防ぐのでしょうか?
さて、化粧品や医薬部外品で言う美白作用というのは、こういった日焼けによるシミ・ソバカス・色素沈着などを防ぐ作用ということになるのですが、美白作用を謳った成分は、シミ・ソバカスが発生する過程のどの部分へ作用するのかによって、それぞれ違いがあります。
その着目点によって、美白作用(つまり日焼けによるシミ・ソバカスを防ぐ作用)を分類するとだいたい以下の4種類に分けられるようです。
◆美白作用その1・・・紫外線が肌内部に侵入しないように防御する
皮膚表面において、紫外線散乱剤により紫外線を反射・散乱させ、皮膚内部への侵入を防ぎます。紫外線散乱剤には、酸化チタン、酸化亜鉛などが使われます。
また、皮膚表面において、紫外線吸収剤によって、紫外線をエネルギーに変えて放散してしまう防御方法があります。ただ、一般的には、紫外線吸収剤の皮膚への負担は大きいとされており、必要以上に使用することはあまりおすすめできません。紫外線吸収剤には、オキシベンゾン、メトキシケイヒ酸オクチル、パラアミノ安息香酸誘導体などがあります。
◆美白作用その2・・・メラノサイトでのメラニンの生成を抑える
メラノサイトでは、チロシンというアミノ酸を原料として、チロシナーゼという酵素のはたらきにより、メラニン色素が生成されます。そこで、チロシナーゼ酵素のはたらきを弱めるなど、メラニン色素の生成過程に作用することによって、必要以上にメラニン色素が生成されないようにします。
こういった作用を持つ成分としては、アルブチン、ハイドロキノン、プラセンターエキス、ソウハクヒエキス、コウジ酸、甘草エキス、カミツレエキスなどがあげられます。ビタミンCやその誘導体にもその作用があるとされています。
◆美白作用その3・・・酸化により生成されたメラニン色素を還元する
メラニン色素は、酸化によって生成されたものですから、還元(酸素を取り去り元に戻す)させれば、メラニン色素を薄くすることが可能となってきます。こういった還元作用のある成分としては、ビタミンCが有名ですが、ビタミンCは成分として不安定で、肌内部に浸透し効果を発揮することができないため、各種ビタミンC誘導体が使用されることになります。
ビタミンC誘導体には、アスコルビン酸(ビタミンC=VC)、アスコルビン酸グルコシド(ビタミンCグルコシド=VCG)・リン酸型ビタミンC(ビタミンCリン酸マグネシウム=VCPMg)などがあります。
また、イオウなどにもこういった還元作用がるとされています。
◆美白作用その4・・・生成されたメラニン色素を排出する
生成されたメラニン色素は、いつまでも皮膚内部にとどまっているわけではなく、本来は新陳代謝によって皮膚表面へ押し上げられ、古い角質細胞とともに垢となって剥がれ落ちます。
しかし、皮膚機能の低下や、大量の紫外線あるいは連続的に紫外線を浴びたことにより、こういったメラニン色素の排出がうまくいかなくなると、メラニン色素が皮膚内部に残存してしまいます。そこで、新陳代謝が適正に行なわれ、メラニン色素の排出がスムーズになされれば、シミ・ソバカスが防げるということになります。
こういった作用があるとされる成分としては、フルーツ酸、レチノール、プラセンターエキスなどがあげられます。
ただし、適正な新陳代謝というのは、肌状態が健全であることが前提となってきますので、新陳代謝云々以前に肌の保湿機能やバリア機能を正常に保つことが重要となります。
美白成分いろいろあるけど、その美白効果は信じていいの?
このように、美白作用をうたった成分には様々なものがありますが、厚生労働省から美白作用をうたった医薬部外品の主成分として認可されている成分はそう多くはありません。
アスコルビン酸(ビタミンC=VC)、アスコルビン酸グルコシド(ビタミンCグルコシド=VCG)・リン酸型ビタミンC(ビタミンCリン酸マグネシウム=VCPMg)といったビタミンC誘導体、コウジ酸、アルブチン、プラセンタなどです。
これらの成分は、美白作用のある成分として、厚生労働省から美白化粧品(医薬部外品)の主成分として、『日焼けによるシミ・ソバカスを防ぐ』などの美白効果をうたっての使用が認められています。何れも美白についての科学的なデータや臨床データが認められたものです。
その他にも、美白作用のある植物エキスとして有名なものに、甘草エキス、桑白皮エキス、クララエキス等があります。古来より美白作用についての実績があるなど、美白作用が経験的に認知されている成分です。
これらの成分は、確かに美白効果は経験的に認知されていますが、科学的なデータや臨床データが少ないなど、美白作用の科学的証明が不足していたり、単独での効果は弱いものがあったりするため、美白効果をうたっての配合・使用(医薬部外品の主成分としての使用)は認められていません。
美白作用に関しては、医薬部外品の主剤として認められている成分の方が信頼できるという考えもありますが、最近では新しい成分の開発や研究も進んでおり、莫大な費用や手間をかけてまで医薬部外品の主剤としての認可を得るよりは、一般の化粧品成分として簡易な手続きで広く使用するといったケースもありますので、医薬部外品=高い美白作用というわけでもないようです。
実際のところ、アスコルビン酸(ビタミンC=VC)などは、美白作用を謳った医薬部外品の主剤として使用可能ですが、成分の不安定さから、肌内部に浸透して効果を発揮することは期待できないと言われています。
その他にも、一般的には美白成分などとされていなくても、各種の保湿成分や細胞賦活成分などは、肌を健やかに保つことによって、新陳代謝をサポートするという意味では、美白作用にも良い影響を与えます。こういった成分も、広い意味では美白成分と言えるかもしれません。
美白成分、その美白効果を実感するためには
このように、ひとくちに美白成分といっても実に様々でありますが、これは美白作用つまり日焼けによるシミ・ソバカスを防ぐということが、皮膚の状態を健全に保つということと密接な関わりをもっているからです。
化粧品や医薬部外品は薬ではありませんので、残念ながら、これを塗れば数日間でシミ・ソバカスが消えてしまうといった特効薬のようなものはありません。どのような成分が配合されていようと、その成分の単一の作用によって、たちまちのうちに色が白くなるということは、本来ありえないわけです。
それでは、市販されているあまたの美白対策用の化粧品や医薬部外品は全く意味が無いのかというと、そういうわけでもありません。シミ・ソバカスの原因やその生成過程をよく分析していけば、化粧品や医薬部外品を利用して美白対策を講じることは可能です。
すでにお話したように、シミ・ソバカスには紫外線が大きく関与しています。紫外線の影響によってメラニン色素が生成されること自体は必要な皮膚防御システムであり、問題は過度の紫外線によりメラニン色素が大量に生成されたり、そのメラニン色素が皮膚内部に残存してしまうことです。
ということは、美白対策といっても、美白化粧品やその中の美白成分の効果のみに頼るのではなく、日々のスキンケアによって、紫外線の影響をやわらげるとともに、新陳代謝が適正に行なわれるようにサポートすることが重要となってきます。
美白成分の美白作用といっても、それはシミ・ソバカスの生成過程のある部分への作用しか期待はできません。しかも、その作用は完全ではありません。というより、完全であってはならないのです。
例えば、メラニン色素の生成を阻害するある種の成分が、完全にメラニン色素の生成をストップしてしまい、メラニン色素が全く生成されなくなったら、皮膚にとってこれほど危険なことはありません。化粧品や医薬部外品に配合されるこの種の成分というのは、メラニン色素の生成を皆無にするのではなく、あくまで抑制するというレベルのものです。
ですから、こういった種類の美白成分が機能したとしても、やはりいくらかのメラニン色素は生成されてしまいます。そして、生成されたメラニン色素は、新陳代謝によってそのうちに排出されていくわけですが、そのためには新陳代謝が適正に行なわれるような肌状態でないといけません。
このように、シミ・ソバカスの無い美白肌というのは、肌機能のある特定の部分だけが改善されたからといって実現するわけではありません。肌機能のあらゆる部分が健全でないと実現できないのです。
そのためには、日々の継続的なスキンケアによって肌状態を健全に保つという努力が必要になってきます。特に重要なのは、肌の潤いを保つ保湿対策です。肌の保湿力は、肌のバリア機能や新陳代謝にも大いに関係してきますし、肌トラブルや肌老化の原因のほとんどは肌の潤い不足にあるとされるくらいです。
マッサージやその他のお手入により、新陳代謝を促進しメラニン色素の排出をサポートすることも必要ですが、これも肌の保湿機能が低下していると、あまり効果は期待できません。
美白対策の前提条件は肌健康であり、そのキーポイントは肌の保湿機能であるということ。そして、様々な美白成分も健康的な肌状態を保つなかでこそ、その効果を発揮できるのです。
もちろん、肌の状態には内的要因も大いに関係してきますので、身体そのものの健康も重要です。身体の状態も肌の状態も健全な中で使用される美白化粧品や美白成分であれば、その効果もきっと実感できるのではないでしょうか。
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